サービス業である飲食店は店員同士、またはお客様と関わる仕事です。だからこそ勤務中に起こったトラブルがストレスになり「仕事が嫌だな……」と思うこともあるでしょう。
しかし些細なストレスをため込んだせいで、仕事を嫌いになるなんて勿体ないですよね。
今回は飲食店におけるストレスの原因と、溜まったストレスを上手に解消する方法についてまとめました。
ストレスの原因は?
通常、仕事をしていれば多かれ少なかれストレスがたまってしまうものですが、飲食店勤務の場合はどのような出来事でストレスがたまっていくのでしょうか?
ストレスの原因にありがちな「仕事上でのトラブル」を見ていきましょう。
お客様からのクレーム
お客様からのクレームは、接客業に従事していればほとんどの人が遭遇するトラブルのひとつ。
クレームを受けたときは誠心誠意謝罪し、今後同じ問題が起きないように社内での話し合いや研修をおこなわなければなりません。
しかし中には、明らかに理不尽で店側に問題がない「クレーマー」気質なお客様からのクレームもありますよね。
こういった場合「店員を叱責する・文句をいう」という行動に対して満足していることが多く、賠償目的で悪質なクレームをしている場合もあります。
そんなクレーマーとの遭遇は、1日をブルーな気分にさせるストレスの原因になってしまいますよね。
アルバイトや社員・店長への不満
どんな仕事をしていても、人間関係の問題はストレスを感じさせる大きな原因となり得ます。
一緒に働く社員やアルバイトと交流がうまく築けない、従うべき店長に信頼感が生まれない、といった人間関係の不満がたまると、いつか大きなストレスとなってしまうでしょう。
その前に解決できれば問題ありません。しかし、人が絡む不満はなかなか表に出しにくく、残念ながら事態が深刻化してしまうこともありますよね。
いじめや喧嘩といったトラブルになる前に根本的解決を図り、ストレスを生まないようにしましょう。
体力的に辛い
飲食業は忙しく、体力を使う仕事です。
アルバイトを始めたばかりの人や体力に自信がない人にとっては「疲れる」ことがストレスになることも。
体力的に疲労したまま毎日を過ごしているとネガティブ思考になりやすく、ストレスと一緒に気持ちが落ち込みがちになってしまうものです。
運動で体力作りをする、休日はゆっくり眠るなど、対策を早めに取るようにしましょう。
休みが少ない
飲食業は社員になると、どうしても休みが少なくなってしまうケースがあります。
時には、突然アルバイトやパートが病気で休む、といった時には代わりに出勤しなければならないことも。
休みがなければ家事も疎かになり、友人と遊ぶ余裕もなくなってしまいます。私生活のバランスが崩れると上手にリフレッシュできず、ストレスが溜まってしまいます。
シフトを上手に調節して、自分の休みをしっかり確保しながら動きましょう。
上手なクレーム処理
それでは次に、ストレスの原因の中でも大きな割合を占める「クレーム」に対する上手な対処法について見ていきましょう。次に紹介するクレームは、飲食業界において比較的多く遭遇するといわれる3種類のクレームです。
悪質なクレームの場合もあるので、見極めが大切です。マニュアル通りに行動し、クレームにつながるミスをしないように気をつけましょう。
「店の料理を食べたら食中毒になった」
店舗を利用した後、おなかを壊した・腹痛があったなどの食中毒を匂わせるクレームは、パニックになって穏便に済まそうとせず、事実を冷静に確認しなければなりません。
もし本当に提供した商品が痛んでいたり、ウイルス感染の原因となっていたりしたのなら適切な対応と謝罪が必要です。
原因を確認する
こういったクレームを受けた時は、まず不快な思いをさせてしまったことを謝罪しましょう。まだ店の料理が原因だと確定していないので「症状に対する謝罪」はしないようにしてください。
その後「来店日時・人数、食べたメニュー・発症の日時、症状」などを細かく確認しましょう。すべてを確認して書き留めたら、「詳細を確認して折り返しご連絡します」と伝え責任者に報告し、指示を仰ぎます。
腹痛や食中毒といったクレームは店・会社全体の問題に関わることなので、決して自分だけで対処しようとしてはいけません。
「店員の態度が気に入らない」
特定のスタッフに対するクレームが発生した場合も、まずは不快にさせたことへの謝罪をし、事実関係を確認すると伝えましょう。
ここで一方的にお客様の言い分を受け入れてしまうと、実際には正しい対応をしていた従業員を傷つけるだけでなく、その後のクレーム対応に支障が出る可能性もあります。
事実確認をしっかりおこなう
お客様の言い分と、従業員の言い分、防犯カメラなどがあればその映像や周りの従業員の話などを良く聞き「正当な理由があっての出来事」だったのか「従業員の教育不足」だったのかを分析しましょう。
もし明らかに従業員の態度が問題だった場合は、誠心誠意謝罪しなければなりません。
クレーマーの言いがかりだったとしても、相手はあくまでお客様であるという対応を取りながら説明しなければならないので、上司の判断を仰いでください。
「店で怪我をした・事故にあった」
意外に多いこのクレームは、悪質なクレームなのか正当な苦情なのかを判断しにくい微妙な問題です。
たとえば椅子やテーブルに不具合があり、それによってお客様が怪我をされた場合は全面的に店の責任となり、治療費や慰謝料の話し合いをしなければならないでしょう。
しかし店の前の縁石で転んだ、店の駐車場で事故にあったといった内容の場合は、間接的には店舗側にも責任があっても、治療費は自己負担か、事故を起こした当人同士の話し合いになることもあります。
原因をしっかり把握する
お客様が怪我をしたと聞くと慌ててしまい、安易に「治療費をお支払いします」といってしまう人もいるかもしれません。
どういった事故でどの程度の怪我をしているのか、本当に店の敷地内で起こった事故なのか、店側に怪我の責任があるのかどうかの事実が確認されるまでは、治療費の話や賠償方法などの詳細をお伝えしないよう、言葉に気をつけましょう。
ストレス解消方法

それでは最後に、仕事でたまったストレスを解消するオススメの方法をいくつかご紹介します。
ストレスをため込まず、仕事でも私生活でも快適な時間を過ごせるように試してみてくださいね。
趣味
仕事でストレスを感じることが多いなら、プライベートが充実するような趣味を見つけて、夢中になって取り組んでみましょう。
仕事から離れて自分が好きなことをしている時間は、脳をリフレッシュさせるいいストレス発散の時間となります。
趣味を充実させるために仕事を頑張ろう!というモチベーションにもつながるので、充実した毎日を過ごせるようになるでしょう。
運動
運動をすると脳内で「エンドルフィン」というホルモンが分泌されます。これは、幸せな気分を高め、高揚感を刺激するホルモンで、ストレスの緩和にも非常に効果的だといわれています。
「なんだかむしゃくしゃする!」といったストレスを感じている時は、ジョギングなどの有酸素運動でホルモン分泌を促し、脳をリフレッシュさせてみましょう。
エンドルフィンにはポジティブ思考になる作用もあるので、前向きに問題点に取り組めるかもしれませんよ。
休憩・休息をしっかり取る
寝不足や不規則な生活は体内のホルモンバランスを崩し、ストレスをため込みやすいので、体調不良の原因にもなります。
仕事の休憩中はしっかりと休む、家に帰ったら夜更かししたり、仕事のことで考え込んだりせず、気分を変えて休息を取るなど心が休まるような工夫をしましょう。
自分に合ったストレス発散方法を見つける
運動や休息以外にもストレス解消の方法は人それぞれです。
たとえば友達と休日思いっきり遊ぶことがリフレッシュになる人もいるでしょうし、一人カラオケで歌いまくるのがストレス発散!という人もいるでしょう。
自分が一番「あー!すっきりした!」と思えるストレス発散法を見つけることも、仕事でのうっ憤を晴らす大切なポイントです。
問題の切り分けをおこない、状況を整理して改善に導く
ストレスは「溜まったものを発散する」ことも大切ですが「溜まらないように改善する」ことも欠かせません。
自分が抱えているストレスについて細かく状況を切り分けて整理し、一番ストレスを感じていることは何なのかを分析してみましょう。
その問題がどうやったら解決するのかを考えることで、ストレスのない快適な仕事環境を手に入れられるようになるはずです。
もし問題を整理した時に自分だけでは解決できない、と思った時は信頼できる同僚や先輩、上司に相談してみてはいかがでしょうか。解決の近道になるかもしれません。
海に行く
とにかくストレスが溜まっているけれど、何をしたらいいのかわからない……。という場合は海に出かけてみてはいかがでしょうか。
波の音は、「1/fゆらぎ」と呼ばれる独特なリズムを刻んでいます。このリズムは自然界のリズムと呼ばれ、人の呼吸、脈拍などにもあてはまるリズムです。
自分の体内に存在するリズムを感じることで人はリラックスした気持ちを感じ、心が癒されるといわれています。
失恋した女性が海に行くという話が多いのも、無意識のうちのこの癒し効果を求めているのかもしれませんね。
浜辺で何も考えず、波の音に耳を傾けて時間を過ごししてみたら、仕事のストレスも海に溶けてしまうかもしれませんよ。
まとめ

いかがでしたか?仕事でストレスが溜まるのは仕方のないことかもしれません。
しかし上手にストレスを解消すれば「それはそれ!これはこれ!」という前向きな精神で次の日の仕事を頑張れることでしょう。
- 飲食店のストレスは、クレーム処理・人間関係など難しい問題が多い
- ストレス解消には休日の趣味や運動、自分の好きなリフレッシュ方法を持つことが大切
- 問題が起こった時には分析し改善することでストレスの原因自体を無くそう
休息を取り、休日にリフレッシュすることでストレスをなくしつつ、ストレスを作る原因となっている問題を改善するように努めれば、これからの仕事がもっとやりやすく楽しいものになるのではないでしょうか。
飲食店勤務にやりがいを感じ続けるためにも、一度ストレスと向き合ってみてください。