接客で使える「さしすせそ」のテクニック。テレビで放送されたことをきっかけにお茶の間にも浸透しましたが、始まりは銀座のママなのだとか。
今回は「さしすせそ」テクニックについて解説するとともに、接客に欠かせない「おもてなしの心」についても詳しくまとめてみました。
目次
接客の「さしすせそ」はどこから始まったのか
知っておいて損はない接客の「さしすせそ」。
お客様に喜んでいただける受け答えのテクニックとして一般的になったようですが、テレビをチェックできなかった皆さんにもわかるよう、きっかけとなった番組をご紹介します。
始まりはあの人気番組「マツコ会議」から!?
「マツコ会議」とは、マツコ・デラックスさんとスタッフが番組内で企画会議を行うというコンセプトで、番組制作の風景を番組として成り立たせる、ちょっと変わったバラエティ番組。
会議中は、毎回話題になっているスポットと中継を結び、派遣したスタッフと現地の人々と触れ合いで、ディープな世界を掘り下げています。
2016年10月29日の放送テーマとなった「お水大学」では、接客の「さしすせそ」が取り上げられ、接客業における重要なキーワードとして認知されるようになりました。
水商売の格言と侮れない「さしすせそ」
番組では、銀座で活躍している明美ママが定期開催しているという、売れるホステスになるためのセミナー「お水大学」に密着。その中で、お客様に対して使うと喜んでいただける5つの言葉として、接客の「さしすせそ」が紹介されました。
水商売の世界は接客のプロが、巧な話術で切磋琢磨する世界。
会話が重視される接客テクニックなら、きっと飲食業界だけでなく、アパレル店員や営業職の仕事にも役立ちそうですよね。
知っておきたい「接客」と「接遇」の違い
明美ママの「さしすせそ」は接客テクニックとして活用できると考えられますが、おもてなしの心である「接遇」も忘れてはいけません。
「接客」と「接遇」という言葉は、どちらも“人をもてなしサービスする”という意味を持っていますが、接客はあくまで相手が望むサービスを提供するだけの意味。
「接遇」という考え方を加えることで、接客スキルは1段階も2段階もランクアップします。
それでは、「接遇」とは一体どのような考え方なのでしょうか。
ワンランク上の「接客」を目指すために…
「接客」とは文字通り、お客様が必要とするサービスを提供すること。
一方「接遇」とは、目に見えない部分で気遣いや心遣いを行うことで、より快適な環境で過ごせるよう配慮する、いわゆる「おもてなしの心」を指します。
求められた要望に応える接客は、飲食店にとって当然のこと。機械的なやりとりだけでは、お客様の心をつかむことはできません。お客様の貴重な時間を頂いただいている間、どれだけ心地よい時間を作るか考えることが、ワンランク上の接客につながります。
おもてなしの意識を持つ!
正しい接客マナーやサービス意識を持つのは当然のこと、これからは「接遇」というおもてなしの意識を加えてみましょう。お客様に対する対応も、今までと違った気持ちで行えるようになるのではないでしょうか。
いざ接客!実践方法を解説!

実際に「マツコ会議」で紹介された内容を参考に、接客業で使える「さしすせそ」についてひとつずつチェックしていきましょう。
「さしすせそ」は、主にお客様との対話の中で使えるテクニック。
「接遇」にも通ずるものなので、この技術を覚えておいて損はありませんよ。
「さ」
「さすがですね」というひとこと。
人は自分の知識や経験を認められると、心地よいと感じるもの、そんな時に使えるのがこの言葉です。
ある程度親しくなったお客様とは、接客中に雑談をすることもあるかもしれません。
そういったときに、お客様が自分の知らない知識を話し始めたら「そうなんですね」や「なるほど」と返すより、「さすがですね」とお客様の承認欲求をくすぐる返答ができるようになりますよ。
「し」
「知らなかったです」という言葉も、「さ」と同じようにお客様の教えたい欲求を刺激する言葉。
誰かに、「その人が知らないだろう役立つ知識や経験」を話すというのは気持ちがいいものですよね。
日頃のちょっとした雑学や体験談も「知らなかった!」と、新鮮な反応で聞いてくれる店員のいるお店には頻繁に顔を出したいなと感じるのではないでしょうか。
もうひとつの「し」
「し」には「知りません」という応え方もあります。
たとえば料理について質問された時、その料理について詳しく知らなければ正直に「知りません」と答えましょう。しかし、それで終わってはいけません。
「勉強不足で申し訳ありません、すぐに確認いたします」と伝え、すぐにその質問に答えられる人に情報を確認しましょう。
そうすることで、お客様からは知ったかぶりをしない、誠意のある対応ができる店員というイメージを持ってもらえます。
「す」
「すてきですね」「すばらしいです」といった褒め言葉を、接客の中に何気なく取り入れてみましょう。あまりおおげさに連呼すると嘘っぽく聞こえ、逆効果になる可能性もあるので注意してください。
たとえば、お召しものがよそいきの装いだった時や、イベントに出席して感動したという話を振られた際に、何気なく口に出てしまったという風に言うことで、信憑性の高い賛辞の言葉として受け取ってもらえるはずです。
褒められて嫌な気分になる人なんていませんよね。
「せ」
水商売における「せ」は「センスがいいですね」という褒め言葉だそうです。
相手の服装、考え方、身につけているものなどに対して「センスがいい」と褒めるのは会話が広がる糸口になるでしょう。「すてきですね」と上手に織り交ぜて使えるといいですね。
飲食業界の「せ」について
それに加えて、飲食業界における「せ」には「せっかくですから」や「ぜひ」といった言葉が存在します。
たとえば、旬のオススメメニューを売り込みたい時などは、ただ「これがオススメメニューなので」と言うよりも、「せっかくですから、この季節の味覚を楽しんでください」などと一言添えるだけで、上から目線を解消しナチュラルに商品を売り込めます。
今しか味わえない!という特別感を出すと、メニューに対する興味をもってもらうことにつながりますよね。
「そ」
接客トークは、お客様が主体となって会話が続いていきます。
お客様の話に対して、上手に相槌を打たなければならない場面も多くなりますが、「はい」や「へー」など単調な相槌が続いてしまうと、興味が無いのでは?と思われてしまうかもしれません。
そんな時に使えるのが、「そうなんですね~」「そうなんですか?」という相槌の言葉。
この言葉を使うと、相手の話を真剣に聞いているというイメージをつけるとともに、「そうなんですか、でしたら●●は…」というように、料理の説明やオススメの話にスライドさせやすくなります。
まとめ:接客はお客様に喜んでいただく一連の作業!

ホステス業は、女性が巧みな話術でお客様を楽しませ、夢のような時間を過ごしていただく仕事であり、
接客のスキルがもっとも大切となる職業のひとつです。
そんなホステス業のトップに君臨する銀座ママの接客テクニック「さしすせそ」は、接客業に応用できるポイントばかりですね。
- サービスを提供するだけではなく、ホスピタリティを感じさせる「接遇」を意識する
- 接客の「さしすせそ」を上手に利用してお客様の話を盛り上げる接客テクニックが大事
- 料理を運んでオーダーを受けるだけではなく、来店客を喜ばせることを考える
お客様がお店で過ごす時間がかけがえのないひと時になるように、この3つのポイントを参考にして、ご自身の接客スキルを高めていってくださいね。