飲食店で働くにあたって具体的な目標を設定し、それを目指して働くことは、従業員の意識を向上し店舗の業績を上げる大切な行動です。
今回はサービス業である飲食店の接客において、目標を定めることで生まれるメリットや、目標の作り方についてわかりやすく解説しました。
実際に接客担当のアルバイトに向けた目標例もまとめてあるので、目標を定めるときの参考にしてみてください。
目次
なぜ目標を定めるの?
目標を定めることには、理由があります。接客をするにあたって、注意しておきたい目標を定める理由について解説します。
アルバイトや社員の意識向上のため
目標を定める上でもっとも大きい理由は、アルバイトや社員の働くことに対する意識を向上させるため。
人はゴールがわからない状態で走っていても気持ちが乗らず、どう走ったら効率的か、どんなスピードで走るのか、と自ら前向きに計画を立てられませんよね。
しかし目指すべきゴールが決まっていると、そこにたどり着くための作戦を考えるようになり、行動に意欲が伴っていきます。そしてゴール時の達成感を味わいたいと感じ、より積極的に行動を起こすようになるでしょう。
モチベーションを高めよう!
どんな仕事でも同じで、何も目標を設定せずにだらだらと勤務しているよりも、何か目標を定めることで仕事に対するモチベーションが上昇し、働くことへの意識を高く持って仕事に取り組めるようになるでしょう。
お店の売上につなげるため
飲食店の売上は、従業員のやる気が大きく影響しています。販売員の仕事に対する意識が高まれば、店の士気があがり売上アップにつながるので、仕事に対するやる気が大きいスタッフが増えるほど、売上アップが期待できるでしょう。
高すぎる目標は止めておこう
絶対に達成できないような、無謀な目標の強要はやめましょう。どんなに頑張っても「ゴールが見えない」「目標にたどり着けない」といった状況が続くと仕事に対する意欲がなくなり、やりがいを感じられなくなってしまいます。
前年比300%の売上というあまりにも高い目標を立ててしまった場合、たとえ前年比150%を達成しても、「売上があがった!」と喜ぶのではなく「目標達成できなかった……」と落ち込んでしまいます。
目標を設定するときは、頑張れば達成できるくらいの、ほどほどな高さを見極めて作るようにしましょう。
目標は段階的に作ると効果的
ここで活躍する目標設定の方法は、
段階的目標設定です。
最初に、頑張れば達成できる小さな目標を設定します。
小さな目標を達成したら、次に目指すべき中間の目標を設定します。
最後に、結果的に目指したい大きな目標を設定しましょう。
現実的な目標を
先ほどの売上アップを例にあげると、
まずは小さな目標として、一ヶ月の売上を前年比110%に設定します。その月に目標達成できたら、次は前年比110%を数ヶ月持続させたり、前年比120%にしたりなど、目標を少し高く設定し直しましょう。
段階的に目標のレベルを上げていき、
達成することの喜びを知ってもらうことでアルバイトに意識向上を促し、仕事にやりがいをもって励んでもらえます。
接客の目標例

目標設定のメリットや設定のコツを学んだところで、アルバイトに与えやすい無理のない「目標」の例を見ていきましょう。
オーダーミスをしない
ホールスタッフのメイン業務は、お客様の注文を間違えずにキッチンに伝え、正しい席に提供することです。ミスが多いな、と感じたアルバイトには「オーダーミスをしない」という目標を作ってみましょう。
チェック表を作って、ミスをしなかった日には○をつけるなどの工夫をすると、意識して行動できるはずです。
現金の過不足をださない
お会計時の現金過不足も目標設定によって減らせます。
ただしお金を扱う仕事の場合、プレッシャーをかけすぎると余計にミスが増える可能性があります。一つひとつの作業を丁寧に確認することを心掛けて、お釣りを間違えないようにしましょう。
一日の売上目標を○○円にする
本来、売上目標は店長や社員だけが管理していることが多いため、アルバイトはなかなか意識しにくい目標です。数値としての情報をあえて全従業員に周知することで、アルバイト自身も店の一員として働く意識が生まれるので、売上をUPさせるためにどうしたらいいかを考えるようになるでしょう。
お客様から「ありがとう」「美味しかった」をいわれる
飲食店であればいいサービス、美味しい商品の提供は当たり前。しかし、サービスの仕方でお客様に提供できる満足度は変わります。
新規のお客様であれば、満足度が高い商品のサジェストや初めてでは知りえない情報の提供。常連のお客様であれば、いつもとは違った新しい情報や組み合わせのオススメなどさまざまな「喜んでいただけるコト」ができますよね。
常に「お客様が喜ぶために、今なにができるか」を考えて行動に移すことで、満足度向上ができるかもしれませんよ。
売り上げ目標を伝えるメリット
数字は成果が目に見えてわかるので、「これをすると売上があがる」「売上が悪かった原因は何だろう」と、反省と分析をしやすくなるメリットもあります。
アルバイトにも売り上げや利益についてわかりやすく説明し、数字への意識を高めましょう。
◯年以内に◯◯の階級にUPする
アルバイトに能力に合わせた階級制度を設けている場合、階級アップを目標に設定することも意識向上につながります。
階級だけではなく、社員登用制度を目指す、資格を取得するといった目標もオススメです。
ただしこういった目標の場合、アルバイトが自分の力だけで階級をあげることは難しいと感じる場面もあるでしょう。不安そうな人には面談をおこない、どうしたら目標達成・階級UPできるかの研修やアドバイスをするなど、丁寧なケアをおこなうといいですね。
オススメメニューを◯件以上売る
その時期に合わせ、売りたい商品を「1日で◯件売る」といった目標も効果的です。
「この商品をたくさん売ってください」と曖昧な指示をするのではなく、「今日1日で○件売れるようにしましょう」と具体的な数字を伝えるようにしましょう。
最初は無理のない数から始めて、徐々に数を増やしていくことがポイントです。
まとめ

今回は飲食店の接客おいて目標を設定する理由と、その効果について解説しました。
- 目標を作ることで、従業員の仕事に対する意識が高まりやすくなる
- 目標は、頑張れば達成する適度の難易度を設定しよう
- 階級や売上数値、販売件数などわかりやすい形で目標設定をすると効果的
この3ポイントを参考にして、働いているお店・販売スタッフにぴったりな目標を立てましょう。
ご褒美があると、よりいっそう頑張れますよね。目標を達成した時には、それがどんなに小さなものでもしっかりと功績をたたえ、褒めるというステップを取り入れましょう。頑張りを認めてもらえることで、さらに従業員の意識を高めてくれるはずです。