接客業務の職場で、「お客様に声かけしてきて」と先輩から指示をされたものの、
どうしたらいいのかわからなくて、もじもじしてしまった……なんていう苦い思い出や経験をしたことはありませんか?
どんな状況でも素早く判断しながら、テキパキ動いて、カッコよく働く姿はカッコイイですよね!
今回はお客様へのお声かけのやり方やテクニックから、考え方までご紹介します。
お客様に気持ちの良い接客だと思ってもらえるよう、声かけのスキルを学んで、積極的に声かけを行っていきましょう!
接客における声かけとは?
接客業の中で行う「声かけ」とはどのようなものでしょうか。
声かけの意味や役割について解説していきます。
声かけは「相手の情報を聞き出し、望みを叶える魔法のツール!」
「声かけ」とは、簡単にいうと「お客様と話す」こと。
たとえば、あなたの恋人が家に遊びに来て、手料理を振る舞ったとします。
頑張って作った手料理を食べてくれる相手を目の前に思わず、「美味しい?どれが一番好き?」「私の手料理どうだった?」などと感想を聞いちゃいますよね。
相手が「美味しいよ」「これが好き」などと返してくれると、「実はこのレシピ、お母さんから教えてもらったの!」「隠し味に○○が入っているの、気づいた?」とそこから話が発展して、どんどん盛り上がっていくことでしょう。
つまり、接客での「声かけ」は、
情報を交換し、徐々にアプローチしていく方法のひとつです。
アパレル業界や小売業での声掛けとは?
アパレルや小売業の場面でも同様です。
ほんの少しの声かけから、相手がどういう商品を求めているのかを聞き出すと、お客様が望んでいる商品や、それに沿ったコーディネートの提案もできます。
声かけから相手の情報を得ると、より一層深みのある接客を提供でき、お客様のご要望を叶えると同時に、満足度を高めることにもつながります。
飲食店の場合はこのように声掛けする!
食べ終わって一息ついた方や食べている料理の話で盛り上がっているお客様に、お皿を下げるタイミングなどで「お味はいかがでしたか?」とひと声掛けると、お客様の感想やご意見を自然と聞きだせるかもしれません。
その後「実は、当店自慢の秘伝のソースなんですよ!」「今だけの期間限定なんです!」など、内容を掘り下げると、お店や商品のことを更に知ってもらえ、料理の味にも一層深みが加わります。
おすすめをご紹介する
ちょっとした声かけから、お客様がどういう味を好まれるのか、何を求めているのかなどのヒントを得たら、「こういうお料理がお好きでしたら、こちらもおすすめですよ」と、プラスの一品をおすすめできますね。
お食事を終えられている場合には、「次回ご来店の際は、こちらもおすすめなので、ぜひ召し上がってみてくださいね」とお声かけすると、次の来店動機にもつながります。
無理に「声かけ」を行うと、お客様はどうなるのか?

声かけをすると、お客様の購買意欲につながる可能性は非常に高いとご紹介してきました。
しかし、むやみに「声をかけすぎる」と、逆効果になってしまうかもしれないので注意が必要です。
シチュエーションに配慮する
お客様の中には、大事な接待や、特別なデートで利用されている方もいるかもしれません。
そういったシチュエーションでは、「声かけをしなくちゃ!」とスタッフが無理に割って入っても、お客様の会話を中断させ、ムードを壊すようなことになりかねません。
場の空気を読まない、無用な声かけは、逆にお客様を不快な気持ちにさせてしまう可能性があります。
声かけのポイント!
お客様のご来店時の印象やお席にご案内した際の雰囲気から、アプローチ方法を考えておき、お客様の反応に合わせて対応することが、声かけのポイントのひとつですね。
売れる人が実践する「声かけ」とは
では、どのような「声かけ」がお客様を不快にせずに、効果的に伝わるのでしょうか。
「売りたい」は一方通行!目指すはお客様と両想い!
どの業種にも「ノルマ」や「売り上げ目標」などがあります。
確かに明確な目標を掲げて取り組むことも、接客の大切な要素の一つ。
「売りたい商品を提案・おすすめする」という、一方的なお店のエゴを押しつけるようなセールストークでは、お客様は満足できません。
「売りたいから声をかける」という心理で接客をしても、お客様の心は掴めず、その心理は見抜かれてしまいます。
商品を「売る」ために
ここで、プラスを生む「声かけ法」をご紹介します。
1,具体的なアドバイスする
例えば、アパレル販売員が接客で商品をオススメする時は、「この服いかがですか?」「お客様に似合いますよ!」という表面的な言葉をかけているイメージはありませんよね。
お客様に喜んでいただくためには、着まわし方法やコーディネート例を具体的にアドバイスすると効果的です。
日常生活の中で
「こんなシチュエーションでは●●と●●のような組み合わせが人気ですよ!」
「寒い時は●●と組み合わせるとステキですよね!」
のように具体的なオススメをすると、その服を着た自分を想像しちゃいますよね!
そのイメージと同時に、お客様の日常生活にオススメした内容がリアルに浸透していきます。
一言、言葉を添えるだけで好印象!?
飲食店の場合、追加でご注文していただく商品をおすすめすることが声かけだと思いがちですが、大切なのはそれだけではありません。
たとえば、入店されるまでにお並びいただいたなら、「大変お待たせいたしました」と一言添えるだけで、印象がよくなります。熱い料理を提供した際には、「お熱いので気をつけてくださいね」と、声をかけるのも大切な声かけです。
来店された時から、タイミングを見計らって声かけをおこなうことで、お客様との距離感を少しずつ縮められます。
距離感が近づくことで話が発展しやすくなりますし、季節限定の商品をご紹介したり、ご注文の内容に合わせた別の商品のオススメがしやすくなりますよね!
3,お客様にプラスになる商品を!
その商品がいかにお客様にとってプラスとなり、ハッピーにできる優れものであるかを具体的に提案すると、その商品とお客様との距離感が縮まり、購買意欲が向上し結果的に「売れた」につながりやすくなります。
「飲食」だからこそできる「声かけ」とは
ここからは、接客業の中でも「飲食業界」だからできる、「声かけ」について、ご紹介していきます。
「声かけ」から広がるエンターテイメント!
飲食業は美味しい料理を提供するだけでなく、お客様の思い出作りのお手伝いもします。
「飲食=飲むこと・食べること」は、私たちの日常生活には欠かせないもの。いろいろな場面と組み合わせて、利用されるケースが多くなっています。
お店がお客様の思い出の場所になる!
お客様の中には、お誕生日の方がいらっしゃるかもしれません。
そういった細かい情報をあらかじめお客様から得ていれば、サプライズでバースデーソングを歌って盛大にお祝いしたり、お店からのサービスでデザートをお出ししたりなど、エンターテイメント性を組み込めます。
すると、お店はお客様の「特別な思い出の場所」に変わり、あなたはお客様の「思い出の一部」になることも!
やりがいのあるお仕事を更に楽しく!
飲食業は、「美味しかったよ」や「ありがとう」など、お客様の喜びの声を直に感じるやりがいのある仕事です。同時に、お客様と幸せな時間を共有できるチャンスが沢山詰まっています。
飲食業だからこそできる、プラスのおもてなしを「声かけ」から得るヒントを頼りに、見つけていくのも楽しいですよね。
まとめ

飲食業界でのお客様へのお声かけに着目してご紹介してきました。
ここで、今回の記事のポイントをまとめます。
- 声かけとは「情報を発信&受信」すること
- 声かけはお客様の望みを叶える魔法のツール。相手に合わせて対応する
- 声かけから得るヒントを元に、相手をより楽しませる「エンターテイナー」になる
あなたの接客スキルに、ご紹介したこの「声かけ」をプラスして、一歩上の接客を目指していきましょう!