「飲食業界の現場で働く方は年収が低い」という印象を持ったことはありませんか?
実際に他の業界と比べた時、飲食業界の年収は本当に低いのでしょうか。
飲食業界で働く際にお給料がどのくらい貰えるのか、気にならない方はいませんよね。
そこで今回は、飲食業界の平均年収を年代別に比較したとき、どのように推移していくのかを具体的な数字で解析します。
年収の換算方法とは
皆さんは「年収」が、どの金額を指しているのかご存知でしょうか?
毎月給与とともに渡される給与明細には、総収入額と、収入から年金や税金・保険料などを差し引いた金額が明記されています。
「年収は?」と聞くと、この手取り金額を12カ月分にした金額を答える方がいるかもしれませんが、
手取り金額の1年分ではありません。
本来の「年収」は税金やその他経費を差し引かれる前の総収入1年分という意味です。
実際に計算してみよう!
月給20万円の人が、3万円分の税金や保険料を天引きされた場合、手取りは17万円になり、
年収は17万円×12ヶ月の万円ではなく、20万円×12ヶ月の240万円。
加えて、ボーナスが支給されている場合には、ボーナスの金額を足した金額が年収になります。
年代別平均年収をご紹介!
国税庁の調べによると、飲食・サービス業の年齢別平均年収は、
年代 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|
20代 | 約243万円 | 約227万円 |
30代 | 約319万円 | 約255万円 |
40代 | 約373万円 | 約250万円 |
出典:厚生労働省「平成28年民間給与実態統計調査」をもとに編集して作成
という結果が出ています。
年齢別に平均年収を見てみると
年代 | 男性平均 | 女性平均 |
---|---|---|
20代 | 約272万円 | 約254万円 |
30代 | 約365万円 | 約297万円 |
40代 | 約456万円 | 約317万円 |
出典:厚生労働省 「平成28年賃金構造基本統計調査」をもとに編集して作成
全業種の平均に比べると、飲食・サービス業の年代別平均年収は低くなる傾向にあるようです。
要因としては
原因は転職や離職率の高さ?
飲食店勤務は体力が重視されるため、年齢が上がる前に転職してしまう割合が高いとされています。この傾向が、30代以降の年収を下げている要因ではないかと考えられます。
中途採用者も積極的に受け入れている業界だからこそ、30代以降で飲食店未経験の社員も少なくありません。このような状態だと、年収は同世代のサラリーマンよりも低くなってしまいますよね。
飲食業で年収UPを目指すには
「20代前半から飲食店に勤務し、年齢を重ねてスキルアップしながら、会社内での重要なポストを目指す」
こういった働き方をすると、年収も上がり、充実した社会人生活を送れる可能性は十分にあります。
離職・転職が多い業界ですが、キャリアアップ・スキルアップを目指す意欲を持って勤務すると、出世につながり、年収アップの可能性が高まっていきます。
また30代以降の方も、年齢を重ねているからこそできる強みを、接客や業務内容に活かすことで十分に年収UPを目指せますよ!
業界別平均年収
厚生労働省がおこなった「平成28年賃金構造基本統計調査の概況」では、
規模 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|
大企業 | 約640万円 | 約321万円 |
中企業 | 約384万円 | 約290万円 |
小企業 | 約348万円 | 約262万円 |
出典:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」をもとに編集して作成
その中でも産業別に見た、宿泊業・飲食サービス業は、男性が約325万円・女性が235万円という結果になっています。
こうして比べると、一般企業の年収と飲食業界の年収はそんなに違いはありません。
労働形態や労働時間の長さなどから、薄給というイメージが強くなりがちな飲食業界。
勤務地によって差はありますが、年収という点で見れば、他業界と変わらない金額を受け取っている方が多くなっています。
出典:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」をもとに編集して作成
将来を見据えて働く
「同じくらいの年収なのに忙しさが違う!」と言う方もいるかもしれません。
しかし、飲食店での勤務経験は、いずれ独立や個人経営のお店を開くことを視野に入れた“技術”を身につけられます。
飲食業と同じくらいの年収の業種は?
転職ノウハウの「2017年版業種別年収ランキング」を見ると、同じくらいの平均年収の業種は、
- 専門店(書籍・音楽関係)
- ホームセンター
- 化粧品・医薬品
などが挙げられます。
人に商品を提供する企業は、平均年収が似る傾向にあるのかもしれませんね。
出典:転職ノウハウ
2016年時点での飲食サービス業界の就業者数
2016年現在、現段階で国内の就業者は約6681万人。
その中で、飲食・サービス業に従事しているのは約390万人です。これは、全就業者のうち約6%の人が飲食・サービス業に従事しているといえます。
「離職率が高い」とされる飲食業界ですが、その半面、働き始めやすく、未経験者や中途採用者も広く受け入れている傾向にあるため、全体的な就業者数には大きな影響を与えていないようです。
出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計) 平成28年度(2016年度)より編集して記載
まとめ

ここで、今回の記事のまとめをします。
- 飲食業界の年代別平均年収は高くはないが、飲食業従事者のだれもが皆、年収が低いとは限らない
- 飲食業界の平均年収は、実際には一般企業の平均年収とあまり変わらない
- 技術を身につけられ、独立も目指せるメリットがある
飲食業界の年収は、一般企業の年収と比べてみると、あまり変わりませんでしたよね。飲食業は忙しいですが、やりがいのある仕事です。技術を身に付けながら、年収UPを目指していきましょう。