飲食店の店長になるとシフトの管理や原価の計算など、経営の管理をしなくてはいけません。実際に自分一人で計算して分析していくのは、正直不安ですよね。そんな方のために今回は、経費に関わることについて詳しくご紹介します。
売上管理や原価率について知りたい方はこちらの記事でもご紹介しています。
目次
経費とは?
そもそも経費とは何のことでしょうか。簡単に言い換えるならば、経費とは家庭の家計簿のようなものです。それでは、どのような出費のことを経費と呼ぶのでしょうか。
お店の運営にかかわるお金
お店を経営するにあたって発生するコストすべてを総括して「経費」と呼びます。経費を抑えることができれば、利益率も上がるので、いかに経費を必要最低限に抑えていくかを計画するといいでしょう。
毎月金額が変わらない経費が固定費
固定費とは、売り上げの変動に関わらず、一定に支払いが発生する経費のことで、「不変費」と呼ばれることもあります。
家賃が代表的な例で、契約が変わらない限り、家賃が変わることはありませんよね。このように一定して毎月、もしくは定期的に発生する経費が固定費に含まれます。ここでは、固定費に分類される主な項目をリストアップし、解説します。
- 家賃
- 減価償却費
- リース料
- 手数料
減価償却費
例えば冷蔵庫や製氷機、グリルやフライヤー、社用車など、ある程度高価で長く使える機材などは、紙ナプキンや割り箸などと違い、一度きりしか使えずに価値がなくなるわけではありませんね。
そのため、数年にわたって長く使うものは、年月に伴って価値が下がると考え、使う頻度によって毎年どれくらいの価値が下がったかを計算して処理します。この作業を「減価償却」といい、減価償却費とは、減価償却によって発生する経費を指します。
価値を計算する
減価償却は、「定額法」に基づいて計算し、耐用年数という減価償却期間で定められた年月から、毎年下がった価値を算出します。定額法とは、毎年同じ金額を計上していく方法で、「購入した金額÷耐用年数」で算出します。
リース料
コピー機やPOSレジなど、事業を展開しているとリースで借りる機会が増えてきます。リース料は他のカテゴリーの経費とは、処理の仕方が少し異なる場合があり、ファイナンスリースの場合は、固定資産を購入したと仮定して会計処理をします。
そのため、一定の計算をした減価償却費の金額が、その年の経費となります。支払い金額を経費で処理している場合は、最終的な利益によってその年の税額が変わる可能性が高くなることを覚えておいておきましょう。
手数料
手数料にはさまざまなものが含まれますが、一般的なのは、銀行の振込手数料、クレジットカードによる決済手数料、電子マネーを使用する際に発生する手数料などです。これらの手数料を総括し、支払い手数料として勘定科目にまとめて決算書に記載します。
毎月金額が変わる経費が変動費

変動費とは、売り上げに応じて金額が増減する経費のことで、「可変費」と呼ばれることもあります。
例えば、飲食業界が忙しくなる忘年会シーズンは、従業員が多めのシフトを組まなくてはいけません。それと同時に食材も多めに仕入れる必要がありますね。もし仕入れる材料の価格が上がれば、原価、原材料費も上がります。ここでは、変動費に分類される項目をリストアップし、解説していきます。
- 原価
- 人件費
- 広告・宣伝費
- 水道光熱費
- 通信費
- 消耗品
通信費
お店を経営するにあたって、電話代やPOSレジなどのネット通信料は必須項目です。また、最近ではフリーWi-Fiを設置する店舗も増えてきているので、通信料の割合も増えています。
通信費は契約している会社によって異なります。使い放題のプランであれば、毎月の支払額が固定されますが、通常の契約は月々の使用料によって増減します。毎月の費用をデータ化し、平均値を算出しておくと管理しやすいですね。
消耗品
飲食店の場合、トイレットペーパー、ゴミ袋、割り箸、紙ナプキン、ダスターなどが消耗品に含まれます。トイレットペーパーや紙ナプキンなどの紙類は、意外と消耗率が高いので、いかに節約できるかの対策が必要です。
経費は細かい記録と分析が大事!

今回は、飲食店の経費について解説しました。
- 経費は固定費と変動費がある
- 変動費は毎月変わるので要注意
- 毎月データを取り、分析して工夫しよう
毎月の経費をしっかりと把握し、毎月のお客様の流れや客単価をリサーチして、売上予測や目標を立てることが大切です。工夫を凝らして経費を下げながら、どうやって繁盛店へと成長させていくのかが、飲食の面白いところかもしれませんね。