アルバイトをしているだけでは、勤務先の飲食店にどんな役職があってどんな人が働いているか中々把握できないものですよね。
飲食店などのサービス業の企業は、店舗で働いているスタッフだけではなく、本部の沢山の役職によって店が成り立っている場合が多くなっています。
いずれ正社員として飲食店で出世していきたい!と思っている人も、
何となくどんな仕事があるのか気になるという人も、一度自分が働く飲食店の役職について確認してみてはいかがでしょうか。
今回は、飲食業界に携わっている沢山の役職について、どんなことをしている立場の人なのかを説明していきたいと思います。
目次
店舗内での職種や役職について
店舗内の職種は主に2種類に別れる
店舗で働いている人の職種は主に2通りに分けられます。それぞれ行う作業が明確に分かれているので、自分が向いている方がどちらなのか見比べてみましょう。
1.接客(ホール)
企業によってはホールスタッフやフロアスタッフとも呼ばれますが、この接客がメインの職種は、主に店に来店したお客様を席にご案内し、注文を受けて料理を運ぶ、お客様と触れ合う作業を行う役割です。
もちろん、注文を取り料理を運ぶだけではなく、レジでお金を清算したりテーブルや店内を綺麗に保つ、といったお客様の目に写るサービスのほとんどが接客スタッフの仕事です。
2.調理(キッチン)
一方、キッチンスタッフはキッチンで料理の下ごしらえをしたり、注文を受けたメニューを調理し盛りつけるといった料理がメインの役割となります。
またキッチン内の食器洗いや掃除、ゴミ捨てや仕入れなども全て調理スタッフが行います。
店舗内の役職まとめ
店長はまとめ役
店長という役職は店舗のまとめ役です。店舗を運営していくために営業計画を立て、その目標を達成できるように店を管理していく仕事を行います。
店長がすることは、店の料理や接客態度、清潔感など全ての品質を一定以上に保つための指導、そして自分自身がお手本となるような接客や調理の業務です。
また、何かトラブルが起こった時には冷静に対処して、事態を収束させるために動かなければなりません。
副店長は店長のサポートでもあり、時には代役にも
副店長というのは、店長の次に責任がある役職です。企業によっては副店長という役職名で組まれていない場合があります。
基本的に、店のシフトは店長が副店長どちらかがいるように組まれています。副店長は、店長が休みの時に店長の業務を全て賄わなければならない役職です。
副店長に任命された人物は、大抵その後店長になるための候補として見られています。
そのため、中には副店長ではなく店次長、店長補佐、店長候補と呼ばれることもあります。
チーフは店舗のリーダー的存在
チーフというのは、店長・副店長の次に責任のあるいわゆる主任と呼ばれる役職です。チーフになると、普通に働いているだけではなくどうやって売り上げを作っていけばいいか、店が繁盛するためにはどのような行動を取ればいいのか、など責任感のある仕事を任されるようになります。
また、自分の下についたスタッフ管理なども行わなければなりません。接客と調理でチーフがそれぞれいる場合には、お互いに連携を取って店が円滑に回るようにコントロールしていきましょう。
マネージャーはマネジメント・管理が中心だが…
マネージャーとは、店舗の売り上げや品費向上のコンサルティングを行う管理者のことを指します。企業によっては、チーフとマネージャーが同じ役職になっている場合があります。
本部や店舗を行き来きし、その店の問題点や改善点などを店長・副店長やチーフと話し合い、店舗をより良くしていく役職です。どうしてもシフトの人員が足りない場合には自ら店で接客・調理を行う場合もあります。
管理だけするイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、売上予測の内容から在庫管理や食材の発注、店舗でのオペレーションへの参加など、
意外と細かい作業も担う場合が多くなっています。
また、転職する際はこのマネージャー職でのマネジメント経験があるかないかで大きく変わってくるのがこの役職。同じ接客業であったり、サービス業でも販売職の場合でも、マネジメントの経験者であれば、採用担当者にはいい印象を与える場合が多くなっています。
アシスタントマネージャー
店長の下に副店長がつくように、マネージャーの下にもアシスタントマネージャーがつく場合があります。
在庫管理や売上に大きな影響のない備品の発注など、
忙しいマネージャーの代わりに手の届かない細かな業務を行ったり、マネージャーと一緒に店を回り、改善できる点や問題点などを分析します。
トレーナー
トレーナーとは、店舗に新しく採用されたアルバイトなどに
マニュアル教育や研修を行い、現場で働ける戦力となるように教育する立場の役職です。
トレーナーが一つの店舗に常駐していることは少なく、大抵本部から派遣されるか、店長や副店長が兼任しています。
本部の部署はどんな仕事があるのか
商品(研究)開発
商品開発や食品研究と呼ばれる部署は、店舗で提供する商品を決めたり、メニューのレシピを作る役割となります。
日々、どんな食事がはやっているのか、どうしたら予算と満足度を両立できるのかを考え、新しい商品を考え続けています。飲食店の「おいしい」というイメージを作っているのは、この商品開発部門なのです。
店舗開発
店舗開発とは、会社の計画のもと新店舗を立ち上げたり、お客様にとって店舗をより快適な場所にするための部署です。
業態によって、どんな街に求められているのかを調査し候補地を決め、店舗の内装や方向性、オープン時の人員なども支持する、新店舗立ち上げの全ての担う立場となります。
フランチャイズ経営を行っている企業の場合、店舗オーナーに対する事業の説明やその後のフォローなども行います。
管理(総務)部
総務部は、飲食店の食事提供や調理以外のさまざまな仕事を受け持つ部署です。
一般的には社員の就労環境を整え、仕事がしやすいようにサポートする業務のが総務部の仕事。
例えば、福利厚生についてや備品や設備の管理、社内制度に対する対応など、その仕事内容は実に多岐に渡ります。従業員がストレスなく現場で働けるのは総務部があるからこそなのです。
営業本部は店舗の営業面担当
営業本部は、飲食店が営業していくうえで必要な業務を行う
営業の中枢ともいえる部署。
店でどんなキャンペーンを行うか、メニューを何にするのかなどの会議を運営したり、どういった方向性で会社を動かしていくのかを定める営業本部では重要な事項が決定することも少なくありません。
ここで決まった事項はそれぞれの役職や店舗に伝えられ、会社一丸となってその目標を達成できるように動き始めるのです。
経理・財務部
経理部や財務部は会社の資金を管理したり、日々取引で使用される現金や資産の収支管理を行う部署です。例えば、従業員が使った交通費や経費の精算や、それらをまとめた決算書の作成など
お金に関わることを一手に引き受けています。
人事部
人事部は、会社内の人材に関する業務を一手に引き受けている部署です。人事部では、必要に応じて社員の採用計画を立てたり、中途者の採用やアルバイトの募集を行っています。
また人材の育成、評価なども受け持っています。社内で起こったハラスメント関係のトラブルも、人事部に相談すると対応してもらえる場合があります。
最短でエリアマネージャーになるためには

エリアマネージャーという仕事は、複数の店舗を受け持って定期的に複数の店を巡回し、
その店の売上がどうやったらアップするかを指導・支援する役職です。飲食業界では、キャリアアップの先に店長かエリアマネージャーを定める人が多いのですが、どうしたらこのエリアマネージャーに最短でたどり着くことができるのでしょうか。
大前提としてコミュニケーションスキルは必須
まず、エリアマネージャーに必要なのは様々な人と関わるコミュニケーション能力です。
厳しく叱るだけの教育方法では、部下を育てることができない人物だと判断されてしまいます。
通常、エリアマネージャーになるには、役職の無い状態から、チーフや主任になり、副店長、店長を経て昇進していきます。
人をまとめる立場になった時には、叱る時は叱る、ほめる時はほめる、メリハリのある指導を心がけてください。
また、今から働く先を決める場合には「店長・エリアマネージャー希望」を受け付けている店舗に応募するのも
昇進の近道です。もちろん、応募して採用されたといってもすぐにエリアマネージャーになれるわけではありません。最初は現場の従業員として働くことから始まるでしょう。
しかし、前提としてエリアマネージャー希望で入社しているのですから、会社側も見合った業務を振り分けてくれることが多くなっています。
まとめ
このように、飲食業界を構成している役職というのは自分の身近なものから、聞いたことがある程度のものまで沢山あります。
接客や調理のベテランとして店で働き続けたいのか、店長として責任感のある経営をしたいのか、はたまた多くの店舗を管理し店が向上していく喜びを感じたいのか、人が目指す場所というのはそれぞれ異なります。
役職について理解し、将来どんな仕事をしていきたいか明確にすることで、働くことへのモチベーションもアップするのではないでしょうか。