意外と知らない正しい日本語。実は、接客サービスに従事している方でも間違った敬語を使ってしまっている事は多くありますよね
沢山のお客様とお話しする機会がある接客業では、正しい日本語を使うことは大切な事です。ついつい使ってしまう間違った言葉遣いと、なぜ間違っているのかを理解して喜ばれる接客をしましょう。
そこで今回は、正しい日本語は何か、間違えやすいアルバイト敬語は何かなどを紹介していきます。正しい日本語で、日本人のおもてなしを実践していきましょう!
意外と多い間違った日本語
実は、聞き慣れている言葉や、普段から飲食店で使われている言葉の中にも間違った日本語は多くあります。まずは何が間違っているのかを知る事が大切です。
1.「Mサイズでよろしかったでしょうか?」
「〜かった」は過去形になってしまいます。
直前の物事に対し、過去形で話す表現は間違いです。
2.「お水の方はいくつお持ちしますか?」
「〜の方」は選択肢がある場合や方角・進路を伝える際に使う言葉のため間違いです。
3.「こちらがメニューになります。」
「〜になります。」は変化が伴うときに使う言葉です。
何かがメニューに変化するわけではないので、間違いになります。
4.「丁度お預かりします」
お会計時にお釣りがある場合は「一旦お預かりして、お釣りを返す」ことになります。
「〇〇円お預かりします」と使う場合もありますが、お釣りがないようにいただいた場合は、返すお釣りがないので「お預かりします」は不自然な表現になります。
5.「1000円からお預かりします」
「1000円から〜」という表現は「もう1000円から計算しますよ」のようにお客様を「急かす」「決めつける」というようなニュアンスに受け取られる場合もあるため、間違いとなります。
6.「レシートのお返しになります」
お返しは預かっていたものを返す場合に使う言葉ですよね。
お客様からレシートを預かってるわけではないので、レシートのお返しは間違いです。
7.「どちらにいたしますか?」
「いたしますか?」は謙譲語です。謙譲語は自分をへりくだる事で相手を立てる時に使う言葉です。お客様に行動に対して使うのは間違いです。
8.「お待ちいただく形になります」
お客様を待たせてしまう時など、気を使いすぎてしまうあまり直接的な言い方を避けて「〜形になります」と遣ってしまう方が多いようですが「〜形になります」は不自然な表現です。
9.「メニューを拝見して下さい」
「拝見」は謙譲語なので、お客様に対して遣うのは不適切です。
10.「店内でお召し上がりですか?」
「召し上がる」は尊敬語なので、「お」をつけてしまうと二重敬語になってしまいます。
丁寧に話そうとすると、はじめに「お」をつけてしまう方は多いですよね。
※「お召し上がりください」は二重敬語ではありますが、今では「習慣として定着している」などの理由から許容されている場合もあるようです。
11.「ハンバーガーのお客様」
混雑している店内で、お待たせしていたお客様を「(商品名)のお客様」などと呼んでいる場面を見た事がある方は多いのではないでしょうか。これでは「ハンバーガー=お客様」となってしまうので不適切です。お客様はハンバーガーではないですよね
なぜ間違ってしまうのか
丁寧な言葉遣いを心がけるあまり謙譲語と尊敬語が混ざってしまったり、「お」をつけて二重敬語になってしまったりする場合が多いようですね。
また「お待ちいただく形になります」など、お客様に「待ってもらう」という直接的な表現を避けてワンクッションおいて伝えるため、「〜の形になります」なるようです。
宜しかったなど過去形になどあまり気にしないお客様もいらっしゃいます。
正しい接客用語まとめ
前項でご紹介した間違えやすい日本語を、正しい日本語と一緒にご紹介していきます。
1.「Mサイズでよろしかったでしょうか?」
「Mサイズでよろしいですか?」
「Mサイズでよろしいでしょうか?」
2.「お水の方はいくつお持ちしますか?」
「お水はおいくつお持ちしますか?」
3.「こちらがメニューになります。」
「こちらがメニューでございます」
4.「丁度お預かりします」
「1000円丁度、頂戴いたします」
5.「1000円からお預かりします」
「1000円お預かりします」
6.「レシートのお返しになります」
レシートのみ:「レシートのお渡しになります」
お釣りとレシート:「100円のお返しと、レシートのお渡しになります」
7.「どちらにいたしますか?」
「どちらになさいますか?」
8.「お待ちいただく形になります」
「こちらでお待ちください」
9.「メニューを拝見して下さい」
「メニューをご覧ください」
10.「店内でお召し上がりですか?」
「店内で召し上がりますか?」
※「お召し上がりください」は二重敬語ではありますが、今では「習慣として定着している」などの理由から許容されている場合もあるようです。
11.「ハンバーガーのお客様」
「ハンバーガーをご注文のお客様」
シーン別接客マニュアル
A.来店時
店員:「いらっしゃいませ。店内で召し上がりますか?」
お客様:「はい。メニューありますか?」
店員:「こちらがメニューでございます。」
B.注文時
店員:「ご注文はいかがなさいますか?」
お客様:「コーラとハンバーガー下さい。」
店員:「かしこまりました。コーラはSサイズとMサイズどちらになさいますか?」
お客様:「Mサイズでお願いします。」
店員:「かしこまりました。」
C.提供時
店員:「お待たせいたしました。コーラのMサイズとハンバーガーでございます。」
お客様:「お水もいただけますか?」
店員:「かしこまりました。お水はおいくつお持ちしますか?」
お客様:「二つ下さい。」
店員:「かしこまりました。」
D.お会計
店員:「コーラのMサイズとハンバーガーでお会計は400円です。」
お客様:「1000円からでお願いします。」
店員:「かしこまりました。1000円お預かりします。」
店員:「600円のお返しと、レシートでございます。」
正しい日本語は接客の質を向上させる

丁寧に話したつもりの一言が、お客様に不快感を与えてしまうことがあります。
日本語は少しの違いで意味が変わってしまうこともあり、難しく感じますよね。ですが、正しい日本語を遣えるということは、接客の質を向上させることができます。少しづつでも意識して正しい日本語を話すようにすると、自然と身についていくと思いますよ。